遺言について知る

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目次

・遺言って何?
・遺言って必要?
・遺言のメリットとデメリット
・遺言の種類は?
・タイプ別おすすめ遺言

遺言書って何?

遺言とは、自分がいなくなった後、代わりに財産や身の回りの整理を行ってくれる、いわば遺言者の分身です。
自分の意志を明確に遺族に伝えることができ、またその意思を法律が尊重してくれます。
法律が尊重してくれるということは、やはり遺言の書き方は法律によって定められています。この法定された書き方をしなければ、遺言は無効となってしまうのです。
遺産争いが起きるのはこの遺言がない場合や遺言があっても不備がある場合に多いと言われています。
遺言に関する興味深い事実を紹介します。

相続争いは少額の方が起きやすい

まずは下の表をみてください。これは相続争いになった家庭を、遺産の価格別に分類した表です。
 

(出典:司法統計 平成26年度遺産分割事件のうち認容・調停成立件数(「分割をしない」を除く)遺産の内容別遺産の価額別 全家庭裁判所)
  総数 1000万以下 5000万以下 1億円以下 5億円以下 5億円越え 不詳
件数 8664件 2 764件 3 725件 1 089件 563件 44件 479件
割合 100% 31.9% 43.0% 12.6% 6.5% 0.5% 5.5%

これからもわかるとおり、全体の争いのうち、遺産の価格が1000万以下の家庭での争いはおよそ32%にも及びます。5000万円以下と合わせるとなんと75%にも及びます。5000万円以上の争いは全体の四分の一ほどしかありません。
つまり遺産争いは少額の方が起こりやすいと言えます。
遺産争いはドラマの話ではなく、もっと身近な話なのです。

遺言とエンディングノートは全くの別物

遺言と同様に自分の死後の意思表示ができるものとしてエンディングノートがあります。エンディングノートには財産の種類や公共料金、希望する供養の方法、感謝の気持ちなど沢山の事項を書くことができます。
しかし、法的な効力はありません。
例えば、エンディングノートに「全財産を妻に贈る」と書いても、子は真っ向から反対することができます。
財産の行方を確実に決めるには遺言を書くことが必要になります。
しかしエンディングノートはそれでとても重要です。法的な拘束力がない分、自分の思いを自由に残すことができるからです。
残された遺族にとっては、遺言と同じくらい大切なものとなるでしょう。

遺言書って必要?

まずご自身がいなくなった後のことを考えてみてください。
考えていくうちに、「妻に家を残してあげたい」「長女には特にお世話になったから、多く財産を与えたい」などの望みと
「ちゃんと妻に住む場所を残してあげられるか」「兄弟の仲が悪いけど大丈夫だろうか」などの不安が出てくると思います。
遺言とは、この望みを法的に叶え、この不安を法的に取り除くものです。
少しでも望みや不安があるのならば遺言を書くことをおすすめします。

特に遺言が必要な方

少しでも望みや不安があれば、遺言は残すべきです。ここでは、より遺言を残した方が良いと思われる方の具体例と理由をご紹介します。
以下の項目に当てはまる方はとくに遺言が必要と思われます。

具体例 理由
法定相続分と異なる分配をしたい 遺言がない場合の遺産の分配割合は法律で決まっています。これを法定相続分といいます。しかしこれはあくまで分配の目安でしかなく、遺言者は自由に分配をすることができます。あらかじめ遺言で分配の指定をしておくことで、遺族での紛争を回避できます。
遺産の種類が多い 土地、建物、現金、有価証券などと遺産の種類が多い場合、遺族は誰が何をどれだけと決めなければなりません。それだけ手間や争いの種を残すことになります。遺言では、「妻に土地を、長男に現金を」と決めることができます。
配偶者あり○、子供なし×、父母なし×、兄弟姉妹あり○ この場合、兄弟姉妹にも相続を受ける権利があります。配偶者(妻、夫)のみに遺産を残したい場合は、遺言が必要です。
身内(推定相続人)以外に財産を与えたい場合 内縁の妻・夫、友人や団体などは推定相続人ではありません。彼らに財産を残したい場合は遺言で明記する必要があります。
一人暮らしの場合 この場合、ご自身の兄弟姉妹や甥、姪が相続人となり得ます。相続人が複雑になり、争いが起きやすいです。
一緒に暮らしている人がいる その方の住居を確保する必要があります。遺言がない場合、他の相続人がその不動産を換金して欲しいと申し出る可能性があります。
再婚した方 再婚相手とその子供、再婚前の子供が相続人なる場合があります。見知らぬ方々が多いため、争いが起きやすいです。
身内の仲が悪い場合 自分の子供たちの仲が悪い場合です。互いの権利が衝突しやすいです。
経営者の方 遺言がない場合、経営資金が各相続人に分散されやすいです。遺言で、どの財産を誰に渡すと事前に決めることで、資金分散を避けることが出来ます。
身内に財産を渡したくない人がいる 法定相続人には相続を受ける権利があります。財産を渡したくない方がいる場合は、その旨を遺言に明記しましょう。
自分の死後、1人での生活が困難な方がいる 「○○の面倒を見てくれたら遺贈する」する負担付の遺言を残すことで、生活の補助をしてもらうことが可能です。
財産を多く渡したい人がいる お世話になった人へ財産を多く残したい場合は、遺言にその旨を明記しましょう。遺言がない場合、思い通りにならない可能性が高いです。

遺言のメリットとデメリット

すべてのものにはメリットとデメリットが存在します。ここではメリットだけではなく、デメリットについてもしっかりお伝えしたいと思います。

遺言のメリット

遺言はもちろん自分自身ためになります。また残された家族のためにもなります。
それぞれの視点からメリットを考えてみましょう。

自分自身のメリット 遺族のメリット
・自分の意志を書き記せる。
・死後の望みを叶えられる。
・死後の不安を解消できる。
・遺産を家族のために生かせる。
・遺族への思いを形にできる。
・故人の意志を把握でき、尊重できる。
・故人の思いやりを感じられる。
・望まない争いを避けられる。
・各種手続きが楽になる。

遺言のデメリット

いいことばかり書いていては、ちゃんと遺言について伝えていることにはなりません。
ここでは遺言のデメリットを伝えたいと思います。そして、その解決案もご紹介します。

デメリット つまり 解決策
遺言の書き方は法的に決まっている 法律で決まっている書き方をしなければ、効力が生じない 専門家に相談する
民法を読んでみる
手間がかかる 法律の勉強や相続人の確認、財産の確認など手間がかかる 専門家に相談する
市役所に聞いてみる
遺言として認められないケースがある。 自筆証書遺言(後述)を書く場合に多い 公正証書遺言(後述)を書く
費用がかかる 公正証書遺言の場合 自筆証書遺言を書く

遺言書の種類は?

民法には遺言の規定があります。
それによると、遺言は「普通方式の遺言」と「特別方式の遺言」に分かれ
普通方式の遺言は「自筆証書遺言」、「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」の3つに分けることができます。
特別方式の遺言は「死亡の危急に迫った者の遺言」「船舶遭難者の遺言」などです。
ここでは一般的な遺言についてご紹介いたしますので、今回はこの「普通方式遺言」について詳しく説明していきます。

自筆証書遺言

自分ひとりでの作成が可能です。しかし、自分の手で紙に書かなければいけません。誰かに書いてもらった場合やパソコンで入力し印刷した場合はその遺言書は無効になってしまします。このように法的に効力のある遺言の作成には、法的な知識が必要となります。
また、自筆証書遺言の場合は偽装される可能性や死後に破棄される可能性があります。そのため確実な遺言の執行には、工夫が必要になります。

公正証書遺言

自分ひとりでは作成ができません。公証人と証人2名の立会が必要となります。そのため、内容を完全に秘密にすることはできません。(親族は公証人、証人になれないため、家族に遺言の内容が知られることはありません。)
また、残す遺産によって費用が変わります。200万円で7000円程度となっております(あくまでも参考程度に。価格の算定方法はもう少し複雑です。)
しかし、作成した遺言書は、公証役場に保管されるため、遺言の執行の確実性が非常に高いです。
また裁判所による検認の手続きも不要なため、遺族への負担も少ないと言えます。

秘密証書遺言

手続きが煩雑で、費用がかかるわりに、確実性が乏しいため、実際はあまり利用されていないです。

まとめ

遺言の種類において「確実性」と「費用」はトレードオフの関係です。
確実性を求めれば費用がかかり、費用を安くしようとすれば確実性が劣ります。
その点に注意しながら、各種のポイントをまとめます。

※検認…遺族の方は「自筆証書遺言」や「秘密証書遺言」を勝手に開封することが出来ない。開封するためには家庭裁判所に検認をしてもらわなければいけない。
  特徴 メリット デメリット
自筆証書遺言 自分ひとりで作成する遺言書。 ・内容を秘密に出来る。
費用はかからない
・紛失、偽装、破棄の可能性があるため、確実性が低い
・法的効力のある遺言書の作成には知識が必要。
・検認が必要※。
公正証書遺言 公証人と証人2名の立会のもと作成する遺言書。 ・遺言書は公証役場で保管されるため、確実性が高い
・検認が不要※。
・遺言の内容を公証人に知らせなければならない。
費用がかかる
秘密証書遺言 一部を公証人と証人2名の立会のもと作成する遺言書。 ・遺言の内容は公証人に知らせなくてよいので、内容を秘密に出来る。 費用がかかる
・遺言書は公証役場で保管されないため、確実性が低い
・法的効力のある遺言書の作成には知識が必要。
・実際の利用頻度は低い。
・検認が必要※。

タイプ別おすすめ遺言

先ほどの説明通り、遺言の種類において「確実性」と「費用」はトレードオフの関係です。
その点に注目してタイプ別おすすめ遺言を紹介します。
秘密証書遺言は確実性も費用も手軽さも劣るためおすすめしません。

タイプ おすすめ 理由
確実な遺言執行を望む 公正証書遺言 専門家の立会のもと作成され、公証役場にも保管されるため
遺言の内容が適法か不安 公正証書遺言 専門家の立会のもと作成されるため
今すぐ作成したい 自筆証書遺言 法的な知識さえあれば、紙とペンで作成できるため
遺言の内容を変更する可能性が高い 自筆証書遺言 費用がかからないため

 

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