【具体例】ドローンを第三者上空で飛ばすには?

行政書士 中島北斗

この記事では、ドローンにおける「第三者の定義」と「飛行する場合の注意点」などを解説いたします。この記事を読めば、適法にドローンを飛行することができるようになります!

原則、第三者の上空は飛行させてはいけない

審査要領にも記載されていますが、原則として、ドローン等を第三者の上空では飛行させてはいけません。

第三者の定義とは

ドローン操縦者の関係者(補助者、イベントエキストラ、競技大会関係者)以外の者を指します。

第三者上空を飛行させる場合

どうしても第三者の上空で飛行させなければいけない場合は、かなり厳しい基準をクリアする必要があります。以下その基準をご説明します。

最大離陸重量25kg未満の場合

機体について、次に掲げる基準に適合すること。

  • 飛行を継続するための高い信頼性のある設計及び飛行の継続が困難となった場合に機体が直ちに落下することのない安全機能を有する設計がなされていること。

当該設計の例は、以下のとおり。

  • バッテリーが並列化されていること、自動的に切替え可能な予備バッテリーを装備すること又は地上の安定電源から有線により電力が供給されていること。
  • GPS等の受信が機能しなくなった場合に、その機能が復帰するまで空中における位置を保持する機能、安全な自動着陸を可能とする機能又はGPS等以外により位置情報を取得できる機能を有すること。
  • 不測の事態が発生した際に、機体が直ちに落下することがないよう、安定した飛行に必要な最低限の数より多くのプロペラ及びモーターを有すること、パラシュートを展開する機能を有すること又は機体が十分な浮力を有する気嚢等を有すること 等
  • 飛行させようとする空域を限定させる機能を有すること。

当該機能の例は、以下のとおり。

  • 飛行範囲を制限する機能(ジオ・フェンス機能)
  • 飛行範囲を制限する係留装置を有していること 等
  • 第三者及び物件に接触した際の危害を軽減する構造を有すること。

当該構造の例は、以下のとおり。

  • プロペラガード
  • 衝突した際の衝撃を緩和する素材の使用又はカバーの装着 等

無人航空機を飛行させる者について、次に掲げる基準に適合すること。

  • 意図した飛行経路を維持しながら無人航空機を飛行させることができること。
  • 飛行の継続が困難になるなど、不測の事態が発生した際に、無人航空機を安全に着陸させるための対処方法に関する知識を有し、適切に対応できること。
  • 最近の飛行の経験として、使用する機体について、飛行を行おうとする日からさかのぼって 90 日までの間に、1時間以上の飛行を行った経験を有すること。

安全を確保するために必要な体制について、次に掲げる基準に適合すること。

  • 飛行させようとする経路及びその周辺を事前に確認し、できる限り、第三者の上空を飛行させないような経路を特定すること。
  • 飛行経路全体を見渡せる位置に、無人航空機の飛行状況及び周囲の気象状況の変化等を常に監視できる補助者を配置し、補助者は、無人航空機を飛行させる者が安全に飛行させることができるよう必要な助言を行うこと。
  • 飛行経路周辺には、上空で無人航空機が飛行していることを第三者に注意喚起する補助者を配置すること。
  • 不測の事態が発生した際に、第三者の避難誘導等を行うことができる補助者を適切に配置すること。

最大離陸重量25kg以上の場合

こちらの追加基準を満たした上で、以下の項目も満たす必要があります。

機体について、航空機に相当する耐空性能を有すること。

当該性能の例は、以下のとおり。

無人航空機を飛行させる者について、次に掲げる基準に適合すること。

  • 意図した飛行経路を維持しながら無人航空機を飛行させることができること。
  • 飛行の継続が困難になるなど、不測の事態が発生した際に、無人航空機を安全に着陸させるための対処方法に関する知識を有し、適切に対応できること。
  • 最近の飛行の経験として、使用する機体について、飛行を行おうとする日からさかのぼって 90 日までの間に、1時間以上の飛行を行った経験を有すること。

安全を確保するために必要な体制について、次に掲げる基準に適合すること。

  • 飛行させようとする経路及びその周辺を事前に確認し、できる限り、第三者の上空を飛行させないような経路を特定すること。
  • 飛行経路全体を見渡せる位置に、無人航空機の飛行状況及び周囲の気象状況の変化等を常に監視できる補助者を配置し、補助者は、無人航空機を飛行させる者が安全に飛行させることができるよう必要な助言を行うこと。
  • 飛行経路周辺には、上空で無人航空機が飛行していることを第三者に注意喚起する補助者を配置すること。
  • 不測の事態が発生した際に、第三者の避難誘導等を行うことができる補助者を適切に配置すること。

その他の注意点

第三者の上空を飛行させる場合は「航空局標準マニュアル」をそのまま使うことはできません。なぜかというとこのマニュアルは「第三者の上空を飛行させないこと」が前提になっているからです。

【動画解説】第三者上空の定義と範囲とは?[人・車・家]

ドローン第三者上空の定義や範囲を徹底解説しています!

0:00 ダイジェスト
0:48 第三者上空の飛行が禁止される理由
1:24 第三者の定義(直接関与者)
1:58 第三者の定義(間接関与者)
5:18 上空の範囲
7:33 落下距離の計算方法
8:01 飛行経路下の範囲
9:07 車の上は第三者?
10:09 家の上は第三者?

まとめ

人の上空を飛行させると、墜落した場合に確実に被害が出ます。そのような状況を踏まえ、許可取得のための基準はかなり高いものとなっています。しかし、絶対に飛ばせないというわけではないので、しっかり安全対策をして申請に臨みましょう!

許可を取得しても注意が必要!

ドローンの許可承認を取得した後も、立入管理措置、飛行マニュアルによる制限、小型無人機等飛行禁止法、条例、民法など意外と多くの注意事項が存在します。

このような事項を知らなかったことにより「法令違反をしてしまう可能性」もありますが、逆に全貌がわからず「飛行を躊躇してしまう」方も多いかと思います。

そのようなことがないよう当社では、何ができて、何ができないのかをしっかり伝え、法律の範囲内で最大限ドローンを活用できるよう申請代行を行なっています。

また許可取得後の不明点も解決できるように、包括申請をご依頼いただきましたお客様には無償付帯行政書士顧問サービスが付いてきます!

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執筆者:
行政書士 中島北斗

ドローンの規制(改正航空法)が始まった2015年当初からドローン申請業務を行っている行政書士が、ドローン法令の遷移を生で感じていたからこそわかる、リアルで正確性な情報を発信いたします。
ドローン許可取得実績は10,000件、相談実績は15,000件、また60校を超えるドローンスクールの顧問をしています。

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