2022年12月5日より、「事故等の報告」と「負傷者救護義務」が課されております。
本記事では、それぞれの内容の詳細をご説明いたします。
「事故等の報告」については、再発防止を図ることが目的であり、ペナルティを科すことを目的としたものではありませんので、安全向上への貢献であるという視点で対応しましょう。
・事故等の報告をしない又は虚偽の報告を行った場合、航空法第157条の10第2項に従い、30万円以下の罰金が科せられます。
・負傷者の救護など危険を防止するために必要な措置を講じない場合、航空法第157条の6に従い、2年以下の懲役又は百万円以下の罰金が科せられます。
執筆者:
行政書士 中島北斗
ドローンの規制(改正航空法)が始まった2015年当初からドローン申請業務を行っている行政書士が、ドローン法令の遷移を生で感じていたからこそわかる、リアルで正確性な情報を発信いたします。
ドローン許可取得実績は10,000件、相談実績は15,000件、また60校を超えるドローンスクールの顧問をしています。
補足:飛行計画の通報には、DIPS2.0のアカウントが必要となります。
報告すべき事故等とは
報告すべき事故等は「事故」と「重大インシデント」に分類できます。
事故
事故とは以下のような事案です。
「人の死傷」については重傷以上のものを対象となります。
ここにいう「人」とは第三者に限らず、操縦者及びその関係者を含むのがポイントです。
なお、軽傷と判断されるようなケースについては後述の「重大インシデント」に該当します。
「物件の損壊」については、第三者の所有物(人工物)を損傷させた場合です。操縦者や関係者のモノは含みません。また損傷の程度は関係なく軽微な場合も対象となります。
「衝突又は接触」とは、航空機/無人航空機の機体に衝突や接触による損傷が発生した場合です。
衝突、接触の「おそれ」があっただけの場合は、「重大インシデント」に該当します。
重大インシデント
人の負傷とは「人の死傷、重傷以上を除いたもの」です。
ここにいう「人」についても、第三者に限らず、操縦者及びその関係者を含みます。
「制御が不能となった事態」とは、飛行中に無人航空機が機体不具合により制御不能となった場合です。しかしながら操縦ミスに起因する操縦不能によるものは「無人航空機の制御が不能となった事態」には該当しません。
保管中の無人航空機のバッテリーの発火等については、飛行に関連しない発火として、報告の対象とはなりません。
ドローン事故等の報告の手順
事故等の報告は原則DIPS2.0から行います。
そのため、DIPS2.0のアカウントが必要となります。
DIPS2.0のアカウントがある方は以下のURLからログインします。
https://www.ossportal.dips.mlit.go.jp/portal/top/
▼ログインが完了したら上のような画面になります。
▼少し下の方にスクロールしますと、無人航空機に関する事故等発生時の手続きという見出しがありますので、「事故等の報告へ」をクリックします。
▼DIPS2.0で飛行申請を行った飛行の場合、左側をクリックします。
許可を不要とする飛行、紙メールによりDIPS外での許可申請、旧システム(DIPS)で許可申請を行った場合は、右側をクリックします。
▼上のような画面が表示されるので各事項を入力していきます。
報告区分 (必須) | 当該事故において初めて報告する場合は、1回目の報告にチェックをいれます。 |
---|---|
許可等番号 (必須) | 許可承認書の右上に記載されている「〇空運第○○○○号」というものを入力します。 |
許可等年月日 (必須) | 許可書下側に記載されている日付を入力します。 ※許可の開始日ではないことに注意します。 |
報告先 (必須) | 許可書下側の○○長の記載を確認し、選択します。 |
無人航空機の名称 | 製造者、機体名、製造番号、登録記号(JU~)を入力します。 |
操縦者 (必須) | 操縦した方の名前を入力します。 |
発生日時 (必須) | 事故の発生した日を入力します。 |
発生場所 (必須) | 発生した場所の住所を入力します。 |
事故発生場所の地図 (必須) | 発生した場所の地図を添付します。 |
事故等の概要 (必須) | どのような事故が起きたかを記入します。 |
死傷者の情報 | 死傷者がいる場合に記入します。 |
物件の破損状況 | 物件の破損があった場合、どのような破損が生じたかを記入します。 |
機体及び物件の破損状況の写真 | 機体や物件の破損状況の写真を添付します。 |
その他参考となる事項
▲その他参考となる事項は、各事項の入力フォームがなく、テキストフォームに記載することになります。
事故等区分 | 「事故」「重大インシデント」であるか記入します。 それぞれの違いはこちらです。 |
---|---|
事故等の種類 | A~Gで該当するものを全て記号で選択します。 A、無人航空機による人の死傷 B、無人航空機による第三者物件の損壊 C、航空機との衝突又は接触 D、航空機との衝突又は接触のおそれがあった事態 E、飛行中において無人航空機が制御不能となった事態又はそれによる無人航空機の紛失 F、飛行中における無人航空機の発火 G、その他(詳細:) |
飛行させた者(操縦者) | 氏名、技能認証番号/技能証明書番号(必須)、住所(必須)、所属(任意)を記入します。 ※技能認証番号/技能証明書番号がない場合はなしと記入します。 |
出発地、到着予定地 | 離陸した場所の地名または固有名詞を記入します。 地名の場合は都道府県名+市区郡名+町村名(必要に応じ丁目・番地等のより詳細な情報)を、固有名詞の場合は○○運動場、○○公園、○○工場等の情報を入力します。 また、到着予定地については、目的地に到達していない場合は通報した飛行計画上の目的地を入力します。 |
当該飛行の目的及び概要 | ・飛行の目的の例:空撮、報道取材、警備、農林水産業、測量、環境調 査、設備メンテナンス、インフラ点検・保守、資材、管理、輸送・宅配、自然観測、事故・災害対応等、趣味、研究開発、その他 ・飛行の概要の例(空撮の場合): 「出発地から離陸し、撮影ポイントであるA地点の撮影対象物を中 心に 360°の周回飛行を5回程度行うことで空撮を行い、目的地に 帰投する予定であった。」 |
損壊した物件の種類 | A~Eで該当するものを全て記号で選択します。 A、建造物(家屋、ビル、橋など) B、自動車 C、鉄道車両 D、船舶 E、その他(詳細) |
損壊した物件の内部に人が居たか否か | はい、いいえで回答します。 「はい」の場合はその詳細を記載します。 |
物件の損壊の発生場所において立入管理措置がとられていたか否か | はい、いいえで回答します。 「はい」の場合は「補助者を配置していた」「コーンで立入管理区画を設定していた」等と詳細を記載します。 |
物件の損壊に伴って停電、通信障害、道路の閉鎖、公共交通機関、公共施設の休止等の影響が生じたか否か | はい、いいえで回答します。 「はい」の場合はその詳細を記載します。 |
物件の損壊に伴って人(第三者)に危険が生じたか否か | はい、いいえで回答します。 「はい」の場合はその詳細を記載します。 |
制御不能又は発火に伴って複数の人に危険が生じたか否か | はい、いいえで回答します。 「はい」の場合はその詳細を記載します。 |
その他参考となる事項 | 死傷者のある場合にその者の氏名などを記入しますが任意です。 |
報道機関等からの問合せ有無 | はい、いいえ、確認中で回答します。 |
警察への届出有無 | はい、いいえ、確認中で回答します。 |
入力が完了したら報告する
▼入力が完了したら報告をクリックします。
国交省から次の指示があるまで待ちましょう。
許可を取得しても注意が必要!
ドローンの許可承認を取得した後も、立入管理措置、飛行マニュアルによる制限、小型無人機等飛行禁止法、条例、民法など意外と多くの注意事項が存在します。
このような事項を知らなかったことにより「法令違反をしてしまう可能性」もありますが、逆に全貌がわからず「飛行を躊躇してしまう」方も多いかと思います。
そのようなことがないよう当社では、何ができて、何ができないのかをしっかり伝え、法律の範囲内で最大限ドローンを活用できるよう申請代行を行なっています。
また許可取得後の不明点も解決できるように、包括申請をご依頼いただきましたお客様には無償付帯行政書士顧問サービスが付いてきます!
お客様のDIPSアカウントから申請いたしますので、1年目はしっかりとした知識・申請で許可を取得し、2年目以降はご自分で更新される方もいらっしゃいます!
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