制度について

「経営力向上計画」はどんな取組みを応援する計画ですか?

自社の現状をしっかりと分析した上で、設備投資や顧客データの分析を通じた商品・サービスの見直し、ITを活用した管理会計の導入、人材育成といった自社の「経営力」の向上をとおして、自社の指標を向上させようとする事業者を応援する計画です。

計画の認定を受けるとどのようなメリットがありますか?

・認定計画中に記載された一定要件を満たす機械及び装置は3年間、固定資産税の課税標準が半額になります。
・中小企業信用保険の保証枠の拡大や中小企業基盤整備機構の債務保証など、多額の資金調達を行う場合の金融支援が受けられるようになります。

固定資産税の軽減措置はどのようにすれば受けられますか。

主に以下の要件を満たす設備等について、当該設備の投資を含む、経営力向上計画が認定されている必要があります。
1. 販売開始から10年以内のもの
2. 旧モデル比で生産性(単位時間当たりの生産量、精度、エネルギー効率等)が年平均1%以上向上するもの
3. 160万円以上の機械及び装置であること

具体的なプロセスは以下のとおりです。
1. 工業会等による証明書を設備メーカーを通して入手する。
2. 事業所管大臣に当該設備の取得を含む「経営力向上計画」を提出し、認定を受ける。
3. その際、工業会等による証明書を必ず添付する。
4. 毎年1月1日現在で取得した設備にかかる固定資産税が固定資産台帳に載ることとなるため、1月末頃の申告までに取得した工業会等による証明書の写しと認定書の写し、申請書の写しをそれぞれ用意し、市町村等に提出する。

蓄電設備や太陽光発電設備を取得する場合でも固定資産税軽減措置の適用を受けられますか。

固定資産税の軽減の対象は、減価償却資産の耐用年数表の「機械及び装置」であって一定の要件(①販売開始から10年以内のもの ②取得価格が160万円以上、③生産性が1世代前モデルから年1%以上)を満たすものが軽減措置の対象となります。

ただし、固定資産税のほかの特例措置(再生可能エネルギー発電設備の特例措置等)との併用はできませんので、御注意下さい。また、計画認定にあたっては、単に取得設備が上記要件に該当しているだけでなく、そうした設備や、技術、個人の有する知識及び技能等などの経営資源を、自社の事業活動において十分に利用して、経営力の向上を目指すことが分かるよう記載することが必要です。

計画はどこに申請すればよいですか。

事業者が経営力を向上させたい事業分野の事業所管大臣に提出していただく必要があります。

複数の事業分野にまたがる場合、どのように申請すればよいですか。

事業分野が複数にわたり、指針が複数ある場合、それぞれの指針に該当している必要があります。
なお、申請はいずれかの事業所管省庁に提出すればよいこととしています。

計画を作成する際、まず相談する窓口は事業分野の主務大臣の窓口になりますか、それとも中小企業庁経営力向上計画相談窓口になりますか。

利用可能な支援策や申請から認定までの手続の流れといった各業種に共通する事項については中小企業庁経営力向上計画相談窓口、事業分野別指針に関する事項は当該指針を担当する省庁にお問い合わせください。
事業分野別指針が定められていない業種については、当該業種の所管省庁にお問い合わせ下さい。御不明の場合は中小企業庁経営力向上計画相談窓口に御連絡ください。

申請書の様式は2枚となっていますが、このスペースで書ける量の内容でよいということですか。

必要に応じてページを追加していただいて構いません。各項目の内容や、経営力向上を確実に遂行できることが、明確に分かる記載をお願いします。

計画の「6 経営力向上の内容」について、事業分野別の指針に記載してあること以外に自社独自の実施事項などを記載しても構いませんか。

事業分野別の指針に記載されてあること以外に追加で記載いただいても問題はありません。

財務諸表の提出は不要ということになっていますが経営計画書の提出も必要ありませんか。

原則として提出は不要ですが、認定に当たって事業所管省庁から求められる場合には、提出していただくことがあります。

申請書の中で金額を記載する欄があるが、裏付けとなる見積書等は必要となりますか。

必要ありません。

申請が不認定となった場合、再度申請を行うことは可能ですか。

可能です。

チェックシートの項目を満たせば、認定されますか。

経営力向上計画の認定にあたっては、申請書の内容が法律の要件を満たすか審査することになります。チェックシートは、申請書の補助資料ですので、チェックシートの項目が満たされていれば自動的に認定されるものではありません。

標準処理期間は30日となっていますが、認定が出るまでに申請先機関とのやり取りは生じますか。

申請内容に不備があれば、申請先機関とやりとりが生じる場合があります。その結果、標準処理期間内に処理が終わらない場合もあります。

経営力向上の目標を立てて、もし目標が達成できなかった場合、経営力向上計画は取り消されますか。

経営力向上計画に基づいて取組んだ結果、目標が未達だったことをもって認定を取り消すことはありませんが、経営力向上計画に従って経営力向上計画に係る事業が行われていない場合は、認定を取り消すことがあります。

設備の修繕等を行った場合も対象となりますか。

資本的支出(既に有する資産の修理・改良等のために行った支出)については対象となりません。

自ら作成して固定資産計上する設備やカスタマイズ品は対象となりますか。

取得(購入)するもの以外に、自ら製作するものも対象となります。また、同様にカスタマイズ品についても対象となります。

(メーカーが新事業を開始した場合など)比較すべき旧モデルが全くない新製品は対象となるのか。

原則として、同一メーカー内に類似する機能・性能を持つ設備がある場合は、生産性向上要件について、できる限り当該設備との比較を行ってください。ただし、比較すべき旧モデルが全くない場合には、比較する指標がないため、10年以内に販売開始されたものであることのみが要件となります。

中古品は対象となりますか。

対象となりません。

取得価額の範囲には、どのような費用が含まれますか。

対象となる減価償却資産の取得価額は、①当該固定資産の購入対価、②外部付随費用(引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税、その他購入のために要した費用)、③当該資産を事業の用に供するために直接要した費用の金額(即ち、内部取付費用、例えば据付費、試運転費等)のうち、減価償却資産として計上されるものの合計額になります。

国・地方公共団体から補助金を受けた場合、対象となりますか。

対象になります。

取得価額の判定は、消費税抜きでしますか。それとも税込みですか。

取得価額の判定に際し、消費税の額を含めるかどうかは事業者の経理方式によります。すなわち、資産について税込経理であれば消費税を含んだ金額で、資産について税抜経理であれば消費税を含まない金額で判定することとなります。

単品の取得価額は、どのように判定しますか。

「通常一単位として取引される単位」が最低取得価額の判定の基本となります。

取得とは、具体的にどのタイミングを指しますか。

製作又は売買等により機械等の所有権を得たことを指します。

購入ではなくリースの場合も、税制措置の対象となりますか。

ファイナンスリース取引(所有権移転リース取引及び所有権移転外リース取引)による取得については対象になりますが、オペレーティングリース取引による取得については本税制の対象外となります。

補助金を受けた設備であり、かつ圧縮記帳前は最低取得価額を上回っているが、圧縮記帳後は最低取得価額を下回ってしまう場合、本税制措置は使えますか。

固定資産税の課税標準額には圧縮記帳は影響しないため、圧縮記帳前の取得価額が最低取得価額を上回っていれば対象となります。

自社で製作した設備を対象とする場合、取得価額には人件費等も含まれますか。

自社で製作した設備の取得価額算出には、当該資産の建設等のために要した原材料費、労務費及び経費の額、および当該資産を事業の用に供するために直接要した費用の額が含まれます。このうち労務費の金額は、所得拡大促進税制に関する税額控除等に利用することができます。

他の税制との重複適用は可能か。

固定資産税以外の特例措置(生産性向上設備投資促進税制や中小企業投資促進税制等)との関係では重複適用は可能です。

設備を共有する場合は、どのような扱いになるのか。

共有者全員が連帯して納付する必要があります。

親会社(大企業)が一括で調達した設備を、親会社から引き渡しを受けた子会社(中小事業者)が税制の適用を受けることは可能ですか。

当該子会社が、大企業の支配下にあるいわゆるみなし大企業(3ページ「みなし大企業について」参照)にあたらない場合は、固定資産税の軽減措置の対象になります。

年平均1%以上向上の比較対象は何か。

当該設備を製造しているメーカーの一代前モデルと比較して下さい。 ユーザーが現在使用しているモデルや他メーカーの製造設備との比較ではありません。

何を基準に「生産性向上」に該当するか判断すればいいですか。

「生産性向上」の基準となる指標については、「単位時間当たりの生産量」、「精度」、「エネルギー効率」などが代表例として挙げられます。ただし、あくまで代表例であり、実際の指標の選択は、様々な機能に対する設備メーカーの創意工夫を促す観点から、メーカーに一任します。なお、各団体は、その指標が生産性の向上を図るための判断基準としてふさわしいものであるかどうかを確認してください。

生産性指標について、エネルギー効率が0.5%、単位時間当たり生産量が0.5%向上している場合、合計1%向上ということで要件を満たしますか。

満たしません。

変更認定はどのような場合に必要となりますか。

実施事項に変更があった場合、固定資産税の軽減措置の対象となる設備の追加取得、認定時に計画に記載した設備と異なる設備を取得する場合などには計画の変更の認定を受ける必要があります。
なお、資金調達額の若干の変更、法人の代表者の交代等、第13条第3項の認定基準に照らし、認定を受けた経営力向上計画の趣旨を変えないような軽微な変更は、変更申請は不要ですが、連絡先に変更がある場合には御連絡をお願い致します。