令和8年(2026年)1月1日から、行政書士法の一部改正(令和7年法律第65号)が施行されました。
この改正では、行政書士(行政書士法人)でない者が、いかなる名目であっても、対価を得て、他人の申請書類(電磁的記録を含む)を作成することはできないことが、より明確化されました。
今回の改正は、ドローン業界でよくある「購入特典」「受講特典」「手数料」「サポート料」などの名目で行われがちな「機体登録や許可申請」のサービス設計にも影響があります。
「申請費用という名目ではもらっていないよ」というドローン関連事業者様は、いま一度、サービス内容を見直す必要がありますので、本記事を参考にしてもらえると幸いです。

行政書士 中島北斗
この改正により、ドローンスクールやメーカー等が、制度の解釈や運用の曖昧さの中で、行っていた申請代行業務について見直す必要性が高まりました。
本記事では、今回の法改正の概要と、ドローン関連事業者が注意すべきポイント、そして合法的な対応策について詳しく解説します。
ドローン事業者に関係する改正の要点
「名目を問わず」報酬を得て代行することができないと明記された。
行政書士法第19条第1項の規定に、「他人の依頼を受け いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という趣旨が追加されました。
< 行政書士法 第19条 第1項>
行政書士又は行政書士法人でない者は、他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て、業として第一条の三に規定する業務を行うことができない。・・・(省略)
これは、コロナ禍で見られた「会費・手数料・コンサル料・商品代金等の名目での給付金の有償申請」の問題を背景に、名目に関係なく「対価を受けて書類作成(電磁的記録を含む)すること」が違反となり得ることを明確化したという背景があります。
もともと、改正前でも上記のような行為は禁止されておりましたが、今回の改正で、それがより明確に示されたイメージです。
当然、書類作成(電磁的記録を含む)には、ドローンでいうと「DIPSでの機体登録や許可承認申請」も含まれます。
この改正により、「購入特典」「受講特典」「手数料」「サポート料」「ロイヤリティ」「レンタル費用」等のように形式や言い回しによる「抜け道」は通用しない制度へと変わったといえます。
名称の工夫やパッケージ化などでうやむやにはできず、形式よりも実質で判断される可能性が高まります。
違反者が属する法人も罰則対象(両罰の整備)
違反行為者(従業員等)だけでなく、その者が所属する法人にも100万円以下の罰金が科されることが明記されました。
これにより、従業者個人のみならず、法人自体にも同等の罰金刑が科されることが明文化されました。
たとえば、社内スタッフが違反行為をした場合でも、その法人全体が罰金刑の対象になる可能性があります。「担当者がやっただけ」では済みません。
なぜドローン業界でも問題になりやすいのか
ドローンは、販売〜運用までの導線で「官公署に提出する書類(電磁的記録の作成=DIPS申請を含む)」が頻出します。
このような手続きは、業界でよくある次の販売・運営モデルに組み込まれることがあります。
今回の改正は、まさにこの「名目を変えた有償関与」を想定して、明確化されたという位置づけです。
危ない運用例
以下は、法改正により、リスクが高いとされる具体的なケースです。
あくまでも、一般的な注意喚起として記載しています。
個別案件の適法性は状況で変わりますことご理解ください。
ケース1:申請代行をサービスとして売っている
行政書士(行政書士法人)ではない者が「包括申請代行:◯円」「初回登録サポート:◯円」「コンサル料に申請作成を含む」等とサポートを展開している場合は、行政書士法違反となります。
ケース2:申請代行料を別名目で受け取る
申請書類作成は無料としつつも、実質的になんらかの費用に含んで、機体登録や許可申請をサポートしている場合は違法とされるリスクがあります。
例:「運用サポートパック」「コンサル費用」などの名目で受講料や製品価格に代行費用を上乗せ
→申請書類作成が「無料」でも、実態として対価性がある設計だと争点になり得ます。
ケース3:実質的に書類作成に踏み込む
名目を問わず対価を得て、以下のような対応を行っている場合もリスクが高い運用となります。
合法的にサポートを行うためには?
行政書士(行政書士法人)ではない者が、他人の依頼を受け、名目を問わず報酬を得て、業として(電磁的記録を含む)官公署に提出する書類の作成業務に当たる行為をすることはできません。
このことが今回の改正により明確となりました。
そのため、エンドユーザー等に対しての申請支援は、例えば次の方向性が推奨されます。
とはいっても、購入者・受講生など、お客様へのサービスとして手厚くサポートしたいという思いを持つ販売事業者やスクールの方も少なくありません。
当社では、そうした事業者様と連携し、それぞれのビジネスモデルや現場事情に合わせたサポート体制を構築しています。
これにより、「現場の売り方・導線は崩さず、書類作成は適法な体制に切り分ける」ということが可能です。
また当社では豊富な申請経験をもとに、ハイレベルな許可申請や法務相談についても対応が可能ですので、一流の「ドローン法務サービス」を貴社のサービスに組み込んでいただけますと幸いです。
顧問サポート例
「うちは今まで大丈夫だったから」ではなく、「大丈夫な形に整える」のが法改正後のやり方となります。
法務顧問をご検討の方は、お気軽にご相談ください。

行政書士にも明確になった職責:デジタル社会への対応
今回の改正は、行政書士・行政書士法人でない者による「書類作成業務の制限」の趣旨を明確化し、罰則を整備するなど、事業者側にとっては運用設計の見直しを迫る内容でもあります。
一方で、行政書士側にも「デジタル社会に対応して国民の利便を高める」という職責が明文化されました。
<行政書士法 第1条の2 第2項>
行政書士は、その業務を行うに当たつては、デジタル社会の進展を踏まえ、情報通信技術の活用その他の取組を通じて、国民の利便の向上及び当該業務の改善進歩を図るよう努めなければならない。
リーガライト行政書士法人の取り組み:許可・登録「後」の運用まで、デジタルで支える
当社(リーガライト行政書士法人)は、行政書士として各種手続に携わる機会が多く、手続後の運用・継続サポートも重視しています。
ただ実務の現場では、デジタル化が十分に進んでいない領域も多く、紙・属人化・二重入力などにより、結果としてユーザーにとって非効率な運用が残りがちです。
そこで当社では、努力義務ではあるもののこの職責を最大限重視し、国民の利便向上と業務改善を実現するため、デジタルによる運用支援を推進しています。
具体的には、飛行日誌アプリ Dronbo や、登録講習機関向け事務管理システム Droby などを通じて、許可・登録取得後の運用(記録・管理・監査対応等)を継続的にサポートしています。


またYouTubeなどでもオンライン申請(DIPS)の操作方法を積極的に公開しています。
まとめ
コンプライアンス重視が求められる中、法律は「知らなかった」「善意だった」では通用しない時代です。
この法改正はドローン関連業務に携わるすべての事業者様にとって、他人事ではありません。
リーガライト行政書士法人では、事業者様にもメリットのある形での提案や、許可申請代行の専門サポートを心がけています。
製品・サービスへの付加価値として合法的に申請支援・法務支援を取り入れたい事業者様は、ぜひお気軽にご相談ください。
法令順守を徹底しつつ、貴社のドローンビジネスに貢献できるパートナーとして、誠実かつ柔軟に対応いたします。

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執筆者:
行政書士 中島北斗
ドローンの規制(改正航空法)が始まった2015年当初からドローン申請業務を行っている行政書士が、ドローン法令の遷移を生で感じていたからこそわかる、リアルで正確性な情報を発信いたします。
ドローン許可取得実績は15,000件、相談実績は20,000件、また90校を超えるドローンスクールの顧問をしています。
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