【2026年動向】VTOL向け国家資格の検討が進行中|制度の課題と今後の見通し【技能証明が新設?】

VTOL型ドローン(垂直離着陸型ドローン)に対応した技能証明(国家資格)の新設が、今後制度化される可能性があります。

これまで、VTOLの実運用と、現行の国家資格(技能証明)の試験設計にズレがあるという課題は、業界でもたびたび議論されてきました。現在は政策の場でも検討が進み、業界側の提案も含めて、制度設計の方向性がかなり具体化してきています。

このズレが解消されれば、インフラ点検や物流などの長距離運用における制度面のハードルが下がり、VTOL活用が一段と進む可能性があります。

行政書士 中島北斗

この記事では、VTOL型ドローンの技能証明について、行政書士が現状の課題と進捗状況を整理していきます。最新情報があれば追記していきます。

技能証明ってなに?

技能証明とは、一言でいうとドローンの国家資格です。技能証明はすべての飛行で必須というわけではありませんが、レベル3.5飛行など、制度上技能証明が前提となるケースもあります。

技能証明の区分は、回転翼(マルチローター)/ヘリコプター/飛行機の3つです。

VTOL型ドローンってなに?

VTOL型ドローンとは、離着陸はマルチローターのように垂直に行い(垂直離着陸)、巡航は飛行機のように固定翼で飛行する、いわば“いいとこどり”のハイブリッド型ドローンです。

メリットは、長距離・高速飛行ができることです。そのため、長大なインフラ点検・輸送・広域調査などでの活用が期待されています。

現状、VTOLに特化した技能証明はない

現状、VTOL型の国家資格を取得するには、マルチローター(回転翼)+飛行機の両方の区分で技能証明が必要になります。

離着陸は回転翼で行い、巡航は飛行機で行うというように、両方の要素があるため、資格も2つ必要という整理です。

しかし、この試験内容が、VTOL型ドローンの特性や現場の運用実態とずれていることが、課題として指摘されています。

VTOLの現場と試験内容の乖離

VTOL型ドローンは垂直離着陸ができるのが特徴です。

そのため、技能証明の試験で求められる滑走路を使った離着陸の技能は、実際に使わないことが多いです。

こういった現場と試験内容との乖離は、令和7年11月に行われた規制改革推進会議のワーキング・グループでも指摘されています。

今、VTOLに特化したようなライセンスにはなっていない状況でございまして、マルチコプター型ライセンス、飛行機型ライセンスというのがあるのですけれども、飛行機型とここで書いてあるのは完全なる固定翼のラジコンの世界の操縦して何ぼというところになっておりまして、実際のVTOLは、今手に入るようなメーカーのものというのはほとんど自動飛行になっていまして、固定翼で操縦させるないしできるものというのはほとんどない状況の中で、まだその操縦が技能として求められている一方で、自動飛行をしているのですけれども、自動飛行のテストはほとんどないというところがあって、そこを問題視している中で、例えばマルチコプターモードの場合は普通のマルチコプター型と一緒ですので、そこはそれを流用して目視外の自動飛行のところで自動操縦というところを新しくちゃんとテストさせるということをやってはどうかというのがこちらの話になります。

規制改革推進会議「スタートアップ・イノベーション促進ワーキング・グループ (第7回)議事録」話者:一般社団法人日本産業用無人航空機工業会様

つまり、現行制度はVTOLの特性を反映しておらず、滑走路離着陸など不要なスキルが求められ、逆に自動飛行などの必要なスキルが重視されていないということです。

VTOL特化の技能証明区分の新設が検討

こうした課題を解決するため、ワーキング・グループでは、VTOLの特性に合わせた技能証明区分の新設が検討されています。

このワーキンググループの国交省の資料でも次のような記載がされています。

VTOLへの対応を図るため、技能証明の無人航空機の種類の「飛行機」を垂直離着陸型(VTOL)と垂直離着陸型以外(VTOL以外)に分けることについて検討する必要がある。

資料1ー2 国土交通省提出資料「無人航空機(ドローン)の更なる活用の拡大に向けた環境整備について」

また、先ほどの規制改革推進会議のワーキンググループの議事録でも、次のような発言がされています。

これまではそれに対応するために飛行機とマルチローターの2つのライセンスを取っていただくということで対応しておりましたが、2つのライセンス試験を受けるというのは事業者の方にとって負担だということで、今般、冒頭のプレゼンの中でも説明しましたとおり、飛行機の中に垂直離着陸、VTOLというものをつくって、それぞれの特徴に対応したカテゴリー、試験内容というものを検討していきたいと考えております。

規制改革推進会議「スタートアップ・イノベーション促進ワーキング・グループ (第7回)議事録」 話者:国土交通省

さらに、讀賣新聞オンラインでは、中間答申にVTOL型向けの資格新設が盛り込まれる方向で検討が進んでいる旨が報じられています。

府関係者によると、規制改革推進会議で資格制度の見直しが議論されており、月内にもまとめる中間答申に、VTOL型向けの資格新設が盛り込まれる方向だ。これに合わせ、国土交通省が、関連する航空法の施行規則の年内改正に向けて検討を進めている。

讀賣新聞オンライン「次世代ドローン操縦の国家資格を年内にも新設…垂直離着陸で高速飛行、インフラ点検や輸送で活用期待」
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20260109-GYT1T00228/

なお、現時点(2026/1/27)で、規制改革推進に関する中間答申そのものの資料は確認できていませんでした。最新情報が出次第、追記します。

規制改革推進に関する答申等

まとめ

新しい技術に制度が追いついていなかった部分が、いよいよ改善されるかもしれません。今後の動向に注目です。

私も現場に出ることがあるのですが、マルチローターでは飛行距離に限界があるため、VTOL型ドローンの活用拡大に大きく期待しています。

続報があれば整理して追記していきます。

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執筆者:
行政書士 中島北斗

ドローンの規制(改正航空法)が始まった2015年当初からドローン申請業務を行っている行政書士が、ドローン法令の遷移を生で感じていたからこそわかる、リアルで正確性な情報を発信いたします。
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