【徹底解説】ドローンは第三者上空を飛ばせる?

行政書士 中島北斗

この記事では、ドローンにおける「第三者の定義」と「飛行する場合の注意点」などを解説いたします。この記事を読めば、適法にドローンを飛行することができるようになります!

特定飛行では、ドローンは第三者の上空は飛行できない(カテゴリーⅢを除く)

ドローンの飛行は「カテゴリーⅠ~Ⅲ」に分類されます。

そのうち、カテゴリーⅠは「特定飛行に該当しない飛行」、カテゴリーⅡは「特定飛行×立入管理措置あり」、カテゴリーⅢは「特定飛行×立入管理措置なし」です。

カテゴリーⅢについては立入管理措置が不要なため、第三者上空の飛行も想定されています。

一方、カテゴリーⅡについては立入管理措置が必要、つまり第三者上空を飛行させることはできません。

第三者上空の飛行が禁止されている根拠

飛行マニュアルや審査要領には、「第三者上空を飛行させてはいけない」という記載があります。

もう一歩、踏み込んだお話をしますと、第三者上空の飛行が禁止されている根拠は「航空法第132条の87の第三者が立ち入った場合の措置」にあります。

無人航空機を飛行させる者は、第132条の85第1項各号に掲げる空域における飛行又は前条第2項各号に掲げる方法のいずれかによらない飛行(以下「特定飛行」という。)を行う場合(立入管理措置を講ずることなく飛行を行う場合を除く。)において、当該特定飛行中の無人航空機の下に人の立入り又はそのおそれのあることを確認したときは、直ちに当該無人航空機の飛行を停止し、飛行経路の変更、航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全を損なうおそれがない場所への着陸その他の必要な措置を講じなければならない。

航空法第132条の87(第三者が立ち入った場合の措置)

これによりカテゴリーⅡ飛行では、第三者上空を飛行させてはいけないとなっています。

【3つの視点】第三者上空を次の視点から整理

第三者上空を正確に理解するために、以下の3つの視点から分解してみましょう。

  • 第三者の定義とは
  • 上空の範囲とは
  • 飛行経路下とは

第三者の定義とは

第三者とは「直接関与者」または「間接関与者」以外の者を指します。

※航空局『無人航空機に係る規制の運用における解釈について』 より

直接関与者とは

直接関与者とは、操縦者、控えの操縦者、補助者を指します。

これらの方々は無人航空機の飛行に直接関与しているとして、直接関与者と整理されます。

間接関与者とは

関節関与者とは、航空局の通達資料では以下のように定義されています。

飛行目的について操縦者と共通の認識を持ち、次のいずれにも該当する者とする。
 a) 操縦者が、間接関与者について無人航空機の飛行の目的の全部又は一部に関与していると判断
   している。
 b) 間接関与者が、操縦者から、無人航空機が計画外の挙動を示した場合に従うべき明確な指示と
   安全上の注意を受けている。なお、間接関与者は当該指示と安全上の注意に従うことが期待
   され、操縦者は、指示と安全上の注意が適切に理解されていることを確認する必要がある。
 c) 間接関与者が、無人航空機の飛行目的の全部又は一部に関与するかどうかを自ら決定すること
   ができる。

航空局『無人航空機に係る規制の運用における解釈について』 にリーガライト行政書士法人が数字を割り当て

少しわかりにくいので、分解して整理しましょう。

「①飛行目的について操縦者と共通の認識を持つ」とは

間接関与者は、今、何のために飛行しているかを認識している必要があります。

例えば、

その場の人に『このドローンは何のために飛んでいるのですか?』という質問に、『●●の空撮です』と解答できれば、飛行目的について共通の認識を持っているといえるでしょう。

一方、『うーん、わからないです』では、その方は間接関与者とは言えないと判断できます。

「②操縦者が間接関与者について無人航空機の飛行の目的の全部又は一部に関与していると判断している」とは

操縦者が、間接関与者を飛行目的の達成に必要と判断していることということできます。

例えば、

操縦者が空撮映像の出演上、「この人が映っている必要がある」と判断しているケースです。

つまり、操縦者も認識していない単なる観察者や無関係な人は除かれるとなります。

「③間接関与者が、操縦者から、無人航空機が計画外の挙動を示した場合に従うべき明確な指示と安全上の注意を受けている。」とは

間接関与者に、一次・二次被害を防ぐ行動等をあらかじめ伝える必要があるということです。

例えば、事前の打ち合わせの中で、

『危険時に笛を鳴らしますので、すぐに手を頭の上に置いて姿勢を低くしてください。』

『落下したドローンには触れないでください。』

などと事前に伝えておくということになります。

「④間接関与者は当該指示と安全上の注意に従うことが期待され、操縦者は、指示と安全上の注意が適切に理解されていることを確認する必要がある。」とは

関節関与者は、操縦者からの指示を理解し、守る意思があり、そして操縦者はそれを確認していることと言い換えることができます。

例えば、以下のようなケースが想定されます。

  • 「笛の音が聞こえたらどうしますか?」と質問し、答えてもらう。
  • 笛の音を鳴らして避難動作をシミュレーションする。
  • 安全上の注意事項と指示内容のマニュアルを渡しサインしてもらう。

つまり、事前のコミュニケーションや理解確認が必要ということなります。

一方的にビラを配っただけ、アナウンスをしただけでは満たせないという根拠がここにあります。

「⑤間接関与者が、無人航空機の飛行目的の全部又は一部に関与するかどうかを自ら決定することができる。」とは

参加は強制ではなく、あくまでも任意であることです。

NOといえる環境であることが必要となります。

間接関与者とは①~⑤をすべて満たす人のこと

このように間接関与者の定義を①~⑤に分解してみました。

航空局の解釈資料によるとこれらをすべて満たす人のことを間接関与者と整理していますので、

ひとつでも該当しないものがあれば、その方は第三者となります。

間接関与者だけならイベント承認不要、上空の飛行も可能

関係者(直接関与者・間接関与者)のみのイベントであれば、航空局のイベント承認申請は不要です。

また関係者の上空を飛行させることも禁止はされていません。

ただ、リスクのある飛行には変わりありませんので、適切にリスク評価を行い、実施するかをご検討ください。

第三者「上空」の範囲とは?

航空局『無人航空機に係る規制の運用における解釈について』 より、第三者上空の範囲とは、第三者の真上だけではなく、ドローンが落下する可能性のある範囲に第三者がいる場合、そのドローンは第三者の上空にあるとみなされます。

少しわかりにくいので、イラストで示してみます。

第三者上空に当たらないケース

濃い赤枠をドローンの直下、薄い赤枠をドローンの落下する可能性のある範囲としたとき、これを合わせた範囲内に、第三者が存在しない場合は、第三者上空の飛行とはなりません。

第三者上空に当たるケース

濃い赤枠、薄い赤枠を合わせた範囲に第三者が存在する場合は、そのドローンは第三者上空を飛行しているとみなされます。

このようにドローン直下だけが第三者上空とは言い切れないことに注意が必要です。

ドローンが落下する可能性がある範囲=落下距離の計算方法

ドローンが落下する可能性がある範囲は、落下距離、落下想定距離、落下分散距離等と呼ばれます。

航空局の解釈通達では、この落下距離は「飛行経路の外周から製造者(研究機関)等が保証した落下距離」とされています。

一方で、メーカーが落下距離を保証することは稀です。

そのため、リーガライト行政書士法人では、水平投射の公式に「反応時間」「風速」を加えて考えることをおすすめしております。

飛行経路下とは

第三者上空と似た言葉に「飛行経路下」という言葉があります。

飛行経路下とは、航空局の解釈通達を総合すると「①飛行経路直下」+「②落下距離」の範囲のことを指しています。

そして、許可承認の現場において、飛行経路は「線的経路」と「面的経路」に分けられます。

線的経路の飛行経路下とは

線的経路では、ドローンの飛行ルートを線で表し、その周囲の落下距離を含めて、飛行経路下と呼びます。

面的経路の飛行経路下とは

面的経路では、ドローンの飛行する範囲を面で表し、その周囲の落下距離を含めて、飛行経路下と呼びます。

飛行経路直下+落下距離に第三者が立ち入らないために立入管理措置が必要

これら飛行経路直下+落下距離を合わせた「飛行経路」下に第三者が立ち入らないために立入管理措置が必要となるのです。

【動画解説】第三者上空の定義と範囲とは?[人・車・家]

ドローン第三者上空の定義や範囲を徹底解説しています!

0:00 ダイジェスト
0:48 第三者上空の飛行が禁止される理由
1:24 第三者の定義(直接関与者)
1:58 第三者の定義(間接関与者)
5:18 上空の範囲
7:33 落下距離の計算方法
8:01 飛行経路下の範囲
9:07 車の上は第三者?
10:09 家の上は第三者?

まとめ:第三者上空の飛行は難易度が高い

第三者の上空を飛行させると、墜落した場合に被害が甚大になる可能性が高いです。

そのため、カテゴリーⅢとして一等技能証明、第一種機体認証、許可申請の3点セットが必要となっております。

許可取得基準はかなり高いため、基本的には第三者上空の飛行とならないような計画を立てることとなります。

許可を取得しても注意が必要!

ドローンの許可承認を取得した後も、立入管理措置、飛行マニュアルによる制限、小型無人機等飛行禁止法、条例、民法など意外と多くの注意事項が存在します。

このような事項を知らなかったことにより「法令違反をしてしまう可能性」もありますが、逆に全貌がわからず「飛行を躊躇してしまう」方も多いかと思います。

そのようなことがないよう当社では、何ができて、何ができないのかをしっかり伝え、法律の範囲内で最大限ドローンを活用できるよう申請代行を行なっています。

また許可取得後の不明点も解決できるように、包括申請をご依頼いただきましたお客様には無償付帯行政書士顧問サービスが付いてきます!

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執筆者:
行政書士 中島北斗

ドローンの規制(改正航空法)が始まった2015年当初からドローン申請業務を行っている行政書士が、ドローン法令の遷移を生で感じていたからこそわかる、リアルで正確性な情報を発信いたします。
ドローン許可取得実績は15,000件、相談実績は20,000件、また90校を超えるドローンスクールの顧問をしています。

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