【免許は義務?】ドローン免許を取得するメリット、ドローンスクールに通うメリット

2022/12/5の改正航空法施行により、ドローンの免許制度が開始されました。

弊所では「包括申請で許可を取得しているけど免許は必要?」「機体認証は必要?」などのお問合せをよくいただきます。

結論を申し上げますと、ドローンを飛行するために免許や機体認証は必須ではありません。

【前提知識】

  • ドローンを飛行するのに免許(操縦者技能証明)は必須ではない
  • ドローン免許は、スクールに通わなくても取得できる

そのうえで、ドローン免許を取得するメリット、ドローンスクールに通うメリットを解説します。

【結論】

許可申請免許取得 (自分で)免許取得 (スクールで)
費用合計:0円スクール費用:0円スクール費用:20万~30万円
学科試験:約8,800円学科試験:約8,800円
実地試験:約20,400円実地試験:0円(免除)
身体検査:約5,200円身体検査:約5,200円
合計:34,400円合計:214,000円~
更新1年に1回3年に1回
取得日数21日~28日試験合格証明書取得:最短30日試験合格証明書取得:最短15日
証明書発行:14日証明書発行:14日
合計:最短34日合計:最短29日
最大メリットどんな飛行にも対応できる。(免許だけでは飛行できないケースもある)一等:第三者上空での飛行が可能となる
二等:航空局標準マニュアルからの解放
お金が掛からないプロから体系的に技術を教わることができる。
最大デメリット1年毎に更新する必要がある実地試験の会場まで行き、高い試験費用を払って、試験に落ちるリスクがある一番お金が掛かる

それでは、上記を踏まえて、詳しく解説いたします。

許可承認が必要な飛行は「許可申請」か「免許取得」で行う

ドローンの免許は、車の免許とは異なり、必ず取得すべきものではありません。

「ドローンの免許を取得すれば、従来は許可が必要だった飛行についても申請が不要となる」というものです。

逆にいえば、「免許がなくても、今まで通り申請を行えば飛行は可能」となります。

▲ざっくりとしたフローチャートですが、イメージは上画像のとおりです。

【注意事項】

許可申請+免許が必要な飛行」「免許を持っていても許可申請が必要な飛行」がありますことにご留意ください。

国交省HPより

赤色のカテゴリーⅢが「許可申請+免許が必要な飛行

緑色のカテゴリーⅡAが「免許を持っていても許可申請が必要な飛行」となります。

各用語の説明を以下にまとめましたので、ご活用ください。

特定飛行とは

立入管理措置とは

一等/二等操縦者技能証明とは

第一種/第二種機体認証とは

カテゴリーⅠ飛行とは

カテゴリーⅡA飛行とは

カテゴリーⅡB飛行とは

カテゴリーⅢ飛行とは

特定飛行とは

特定飛行とは、航空法で飛行が禁止されている飛行場所・方法のことです。

今までと同様、「人口集中地区や夜間飛行」などが当たります。

【特定飛行一覧】

  • 人口集中地区(DID地区)
  • 空港周辺
  • 高度150m以上
  • 緊急用務空域
  • 夜間飛行
  • 目視外飛行
  • 30m接近飛行
  • イベント飛行
  • 危険物輸送
  • 物件投下

それぞれの詳細については以下の記事にまとめています。

立入管理措置とは

立入管理措置とは、ドローン飛行経路内への第三者の立入りを制限することです。

具体的には、補助者の配置、立入禁止区画、立入管理区画の設定が挙げられます。

【補助者の配置】

周囲の監視を行う人。立ち入りが生じた場合は飛行の中止などを操縦者に指示する。

【立入禁止区画】

イベント飛行時に使用する考え方。

イベント飛行時における立入禁止区画の設定距離

【立入管理区画】

塀やフェンス等の設置、第三者の立入りを制限する旨の看板やコーン等を飛行範囲や周辺環境に応じて設置

詳しくはこちらをご参考ください。

一等/二等操縦者技能証明とは

ドローン飛行に必要な知識や能力を有することを証明する制度になります。

これが一般的に呼ばれる免許のことです。

技能証明(免許)は国交省の登録を受けたスクール、または試験機関にて直接試験を受けることで取得ができます。

試験は「身体検査+学科試験+実地試験」となります。

なおスクールでの講習修了者は、実地試験が免除されます。

免許の取得は無人航空機操縦士試験より詳細の確認が可能です。

▲国交省HPにも記載がありますが、一等/二等操縦者技能証明(免許)の取得は必須ではありません。

第一種/第二種機体認証とは

特定飛行を行うドローンの強度、構造及び性能について検査を行い、機体の安全性を確保する認証制度です。

本記事執筆時(2022/12/1)時点では情報が公開されていませんが、恐らく型式認証として、メーカー側が対応するのが主流になると思われます。

▲国交省HPにも記載がありますが、第一種/第二種機体認証の取得は必須ではありません。

カテゴリーⅠ飛行とは

特定飛行(人口集中地区や夜間飛行など)に該当しない飛行です。

そのため、従来通り、許可申請は不要です。

カテゴリーⅡA飛行とは

空港周辺、高度150m以上、イベント飛行、危険物輸送、物件投下の飛行です。

操縦者技能証明(免許)や機体認証の有無に関わらず、許可申請が必要です。

カテゴリーⅡB飛行とは

人口集中地区、夜間飛行、目視外飛行、30m接近飛行の飛行です。

操縦者技能証明(免許)と機体認証があれば、許可申請が不要です。

操縦者技能証明(免許)と機体認証がなければ、許可申請が必要です。

カテゴリーⅢ飛行とは

主に「有人地帯における補助者なし目視外飛行」を想定した飛行です。

一等操縦者技能証明と第一種機体認証があることが前提で、なおかつ許可申請が必要です。

免許(技能証明)を取得するメリット

許可か技能証明(免許)を取得すれば、人口集中地区や夜間飛行などの特定飛行が可能となるとお伝えさせていただきました。

許可制度があるうえで、今免許を取得するメリットは何があるでしょう。

第三者の上空飛行が可能となる(一等のみ)

一等の技能証明と許可申請を行えば、免許制度前では対応することができなかった「有人地帯での補助者なし目視外飛行(レベル4)」が可能となります。※第一種機体認証も必要

レベル4の飛行を行うには、一等の技能証明が必須のため、行う場合はメリットがあります。

航空局標準マニュアルから解放される

許可申請を行う場合は、航空局標準マニュアルに従った原則飛行が必要です。

※当事務所では標準マニュアルの不都合な点を解除した独自マニュアルを利用しております。

二等以上の技能証明を取得した場合も、許可なく飛行させるには、飛行マニュアルの作成です。

しかしながら、無人航空機を飛行させる者が安全の確保に必要な事項を盛り込んで作成することになりますが、その内容や形式は、飛行の実態に即して柔軟なものとされています。

国交省Q&Aにも以下の飛行については、技能証明を取得していれば可能と記載があります。

  • 補助者ありの「DID×夜間飛行」
  • 補助者ありの「夜間×目視外飛行」

これらは独自マニュアルを利用しても包括申請では対応することができないため、免許取得のメリットといえます。

空撮依頼を受けるときにクライアントから求められる

知識、技術の証明になる

今は合格率が高い

免許は「直接試験」か「スクール」で取得する

ドローン免許の取得方法は、車の免許の取得方法と似ています。

直接試験で免許を取得する流れ

  • 技能証明申請者番号取得(国土交通省)
  • 学科試験受験(全国のテストセンター
  • 実地試験受験 (試験会場(令和5年3月時点:全国11か所))
  • 身体検査受検 (免許証等の提出)
  • 試験合格証明書発行
  • 技能証明発行申請
  • 技能証明書発行

スクールで免許を取得する流れ

  • 技能証明申請者番号取得(国土交通省)
  • スクールで講習を受ける
  • 実地試験受験 (各スクールにて)
  • 学科試験受験(全国のテストセンター
  • 身体検査受検 (免許証等の提出)
  • 試験合格証明書発行
  • 技能証明発行申請
  • 技能証明書発行

免許をスクールで取得するメリット

実地試験の会場に行かなくて済む

実地試験実施細則に則った操縦技術を学べる

まとめ:「許可取得」か「スクールで免許取得」がおすすめ

以上より、自力で免許を取得するのは、お金も時間もかかります。※腕前に自信がある方は除きます。

そのため、毎年許可申請をするか、スクールで免許を取得して3年間は許可不要で飛行を行うかがおすすめです。

操縦者技能証明(免許)の取得で許可申請が不要になるのは「カテゴリーⅡB飛行」のときだけです。

つまり、以下のすべてを満たす場合だけです。

  • 人口集中地区、夜間飛行、目視外飛行、30m接近飛行のいずれかを行う
  • 機体認証を受けている
  • 立入管理措置を行う
  • 機体の総重量が25kg未満

あくまでも許可申請が主体ですので、車の免許とはかなり違う考え方であることがわかります。

免許制度の開始で混乱が起きていることをお客様のお問合せからひしひしと感じます。

本記事で皆様に正しい情報が伝わりますと幸いです。

引き続き改正情報をアップします!!

2022/12/5の改正はドローン業界にとって、非常に大きなものです。

「DIPS2.0の使い方」や「飛行日誌の付け方」「飛行計画の通報方法」など、引き続き最新情報を集め、わかりやすく伝えていきますので、ぜひSNSのフォローをお願いします!

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