①ドローン許可申請、申請先、飛行経路、飛行場所、飛行日時の書き方を解説

申請書は国交省の審査官の方だけが見るものではありません。
許可取得後も、市町村や警察との調整の際に、本申請書の提出が求められる場合があります。
「市町村や警察などの公的機関」「建物土地所有者」「お客様のお取引先様」すべての方が見るものと考えて、作成することをおすすめします!

日付・申請先・氏名等

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日付

最終的に申請書を郵送する時点で記入します。そのため、まだ書かなくて大丈夫です。

○○殿

項目申請先
人口集中地区、夜間飛行、目視外、30m未満、イベント上空、危険物、物件投下の場合東京航空局長 殿 or 大阪航空局長 殿

飛行場所により申請先が異なります。詳しくはこちら
空港近く、高度150m以上を飛行させる場合○○空港事務所長 殿

空港近く、高度150m以上を飛行させる場合は飛行しようとする場所を管轄する空港事務局長に申請をします。以下の連絡先一覧から探すことができます。
空港事務所連絡先一覧

氏名等

・氏名を書きます。
・住所を書きます。
・連絡先を書きます。電話番号とメールアドレスを明記しましょう。

代行申請をする場合は【代行申請】と明記しましょう。
代行申請についてはこちら

飛行目的、日時、経路、許可等の種類

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飛行目的

今回の申請の目的を記載します。具体的には以下のとおりです。
飛行目的が「趣味」では「飛行場所・日時を特定しない包括申請」ができません。
 
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飛行の目的
空撮風景・施設の撮影、TV・映画制作、イベント撮影 等
報道取材報道取材 等
警備侵入者追跡、工場内立入者監視 等
農林水産業農薬散布、松くい虫防除、種まき、肥料散布、生育調査 等
測量工事現場での測量 等
環境調査放射能計測、大気汚染調査 等
設備メンテナンスプラント保守、施工計画調査、ソーラーパネル管理 等
インフラ点検・保守道路・橋梁点検、トンネル内点検、河川管理施設の点検、海岸保全施設の点検、港湾施設の点検 等
資材管理プラント資材管理、資材の容積計測 等
輸送・宅配物資輸送、宅配 等
自然観測火山観測、地形変化計測、資源観測 等
事故・災害対応等土砂崩れ等の被害調査、山岳救助、水難者捜索、被災者捜索、火災の原因等の調査、交通事故現場検証 等
趣味競技会、スポーツ、レクリエーション、個人的な趣味の飛行 等

飛行日時

ただいま審査機関は大変忙しいため、許可がおりるのは大体1か月後です。余裕を持った申請をしましょう。
例えば2/4に飛行させたい場合は、1月から申請書を書き始めることをおすすめします。

自:平成29年2月1日以降の許可・承認を受けた日
至:平成29年2月28日

また、天候により飛行できない場合に備えて、予備日は原則3ヶ月の幅を持って申請できます。

飛行経路

飛行する場所を記載します。申請の種類により違いがあります。

通常の申請…住所や建物名、高度など場所を特定し、「詳細は別添資料1の通り」と記載
 
包括申請…飛行範囲、条件、理由を記載する。
飛行範囲:北海道全域の○○
条件:仮囲いがされた場所
理由:急な空撮依頼に対応するため

包括申請の場合は許可・承認の種類によって条件や理由が変わります。安全性と正当な理由があるということを訴えましょう。

地表からの高度

飛行させるのに必要最低限の高さを記入しましょう。
ちなみに「電柱は9から13m」「アベノハルカスは300m」です。

海抜高度

海抜高度の記載は不要な場合もありますが、念のため海抜高度の調べ方ご紹介します。

【平成27年度版】地理院地図にアクセス。

 
②飛行場所を探す
画面の真ん中より下に△のタブがあります。それをクリックすると「標高」を知ることができます。

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③標高+地表高度(自分が飛ばす高さ)=海抜高度
あとは足し算をするだけです。

地表高度…250m
標高…25.6m
「海抜高度」は275.6m

飛行場所の規制

・空港近く
・高度150m以上
・人口集中地区
の該当する項目をチェックします。よくわからない場合はこちら
※高度150m以上の許可申請の場合はこちらも合わせてご確認下さい。

また、そこを飛行しなければならない理由を書いてください。

飛行方法の規制

・夜間飛行
・目視外飛行
・人・物件から30m…
・催し物場所上空飛行
・危険物輸送
・物件落下

の該当する項目をチェックします。よくわからない場合はこちら

また、その飛行方法を行わなければならない理由を書いてください。

ドローン、操縦者、飛行マニュアルについて

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製造者、名称、製造番号等

基本的にはこのまま書いて大丈夫です。別添資料で詳細を付けることになります。

機能及び性能

基本的にはこのまま書いて大丈夫です。別添資料で詳細を付けることになります。

飛行させる者の知識、能力

基本的にはこのまま書いて大丈夫です。別添資料で詳細を付けることになります。

安全を確保するために必要な体制

安全な飛行のためのマニュアルについての記載をします。ドローンの規制が施行された当初は「独自のマニュアル」を必ず作成しなければいけなかったのですが、平成28年7月29日より国交省より「航空局標準マニュアル」が公開され、申請が一部簡素化されました。
「航空局標準マニュアルを利用する場合」も「独自のマニュアルを利用する場合」もメリット・デメリットがありますので、ご自分の飛行形態に合わせたものを選択しましょう。

具体的な書き方は3パターンに分かれます。

●「航空局標準マニュアル01を使用する。」
「飛行場所を特定した申請」で「航空局の作成したマニュアルを利用する」場合は、上記のように記載します。場所を特定した申請でのみ利用できるため、包括申請では利用することができません。記載する前に内容の確認も行いましょう。
【平成30年2月1日版】国土交通省航空局標準マニュアル①

●「航空局標準マニュアル02を使用する。」
「飛行場所を特定しない申請」のうち「人口集中地区、夜間飛行、目視外飛行、30m接近飛行、危険物輸送、物件投下」での飛行で、「航空局の作成したマニュアルを利用する」場合は上記のように記載します。場所の特定が必要となる催し場所上空での飛行、空港周辺での飛行、高度150m以上の飛行の場合は利用することができません。記載する前に内容の確認も行いましょう。
【平成30年2月1日版】国土交通省航空局標準マニュアル②

●「独自のマニュアルを使用する。別添資料○の飛行マニュアルのとおり。」
航空局標準マニュアルを参考に「独自のマニュアルを作成し使用する」場合は上記のように記載します。作成に手間は掛かりますが、ドローンを飛行する上での注意点などを把握することができます。また業務でドローンを利用する場合は、様々な飛行案件に対応するため、独自マニュアルを作成することをおすすめします。

 

航空局標準マニュアル01、02を使用するメリット・デメリット

メリット・・・航空局がすでに作成したマニュアルを使用するため作成の手間が省ける。
デメリット・・・あくまでも標準的なマニュアルであるため、包括申請であっても飛行場所・飛行方法が制限される。また内容をよく把握せずに申請してしまった場合、思わぬ法令違反をしてしまう場合がある。

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上記画像のように「航空局標準マニュアル②を使用する」と記載した場合は以下の場所・方法では飛行させることができません。
 
航空局標準マニュアルでは包括申請であっても飛ばせない場所・方法

・第三者の往来が多い場所や学校、病院等の不特定多数の人が集まる場所の上空やその付近では飛行させない。
(航空局標準マニュアル 3-1 無人航空機を飛行させる際の基本的な体制より)
※第三者の往来が多い場所は抽象的ではありますが、デパートや観光施設などが含まれる場合があります。

・高圧線、変電所、電波塔及び無線施設等の施設付近では飛行させない。
(航空局標準マニュアル 3-1 無人航空機を飛行させる際の基本的な体制より)
※ソーラーパネルの測量や点検、送電線の点検、発電所付近での空撮の場合は注意が必要です。

・高速道路、交通量が多い一般道、鉄道の上空やその付近では飛行させない。
(航空局標準マニュアル 3-1 無人航空機を飛行させる際の基本的な体制より)

・第三者の上空では飛行させない。
(航空局標準マニュアル 2-8 無人航空機を飛行させる者が遵守しなければならない事項より)

・人口集中地区での夜間飛行は行わない。
(航空局標準マニュアル 3-1 無人航空機を飛行させる際の基本的な体制より)

・人口集中地区での目視外飛行は行わない。
(航空局標準マニュアル 3-1 無人航空機を飛行させる際の基本的な体制より)

・夜間の目視外飛行は行わない。
(航空局標準マニュアル 3-1 無人航空機を飛行させる際の基本的な体制より)

・風速5m/s以上の状態では飛行させない。
(航空局標準マニュアル 3-1 無人航空機を飛行させる際の基本的な体制より)

・物件のつり下げは行わない。
(航空局標準マニュアル 2-8 無人航空機を飛行させる者が遵守しなければならない事項より)

・夜間飛行は、飛行高度と同じ距離の半径の範囲内に第三者が存在する場合は行わない。
(航空局標準マニュアル 3-3 夜間飛行を行う際の体制より)

・人又は物件との距離が30m以上確保できる離発着場を確保できない場合は飛行を行わない。
(航空局標準マニュアル 3-1 無人航空機を飛行させる際の基本的な体制より)

など

その他にも遵守すべき事項がありますので、航空局標準マニュアルを使用する場合は熟読しましょう。

以前、国交省の審査官の方とお話をさせていただいた際、「航空局標準マニュアル」では上記のように飛行場所・飛行形態がかなり制限されるため、実際問題「航空局標準マニュアル」を使用した包括申請で許可を取得しても、あまり飛ばせないとおっしゃっておりました。

上記の飛行場所・飛行方法でフライトする可能性がある場合は、それぞれの項目に対して安全対策計画を記載した独自マニュアルを作成しましょう。

 

独自マニュアルを使用するメリット・デメリット

メリット・・・自分の飛行形態にあった内容で申請ができるため、上記航空局標準マニュアルでは制限されていた飛行場所・飛行方法でのフライトが可能となる。
デメリット・・・航空局標準マニュアルで制限されている飛行場所・飛行方法で飛行させる場合はそれぞれ安全対策計画が必要となり、かつ国交省の審査も厳しくなるため、労力が必要となる。

ドローンを業務で利用する場合は独自マニュアルを作成することをおすすめします。
独自マニュアルの作成方法はこちらを参考にして下さい。

 

当事務所では常に独自マニュアルを作成しております!

【当事務所は、国交省とやり取りする機会が多く、安全対策計画の作成経験が豊富です。そのため常にお客様1人1人に合わせた独自マニュアルを作成しておりますので、「第三者の往来が多い場所や学校」「高圧線付近での飛行」「人口集中地区での夜間飛行」など、上記飛行場所・飛行方法でのフライトも可能です!もちろん追加料金は発生しませんのでご安心下さい!】

 

その他参考となる事項

・過去の許可取得歴
過去に許可の取得実績があれば、直近のものを記載します。また、今回の申請と過去の申請に違いがあれば、その旨を記載すると親切です。

・保険加入の有無
入っている場合は詳細を書きます。また、加入していることがわかる証拠書類の写しも添付します。

備考

ここには事故等の発生時における緊急連絡先を書きます。
項目は担当者名と電話番号(携帯電話が望ましい)です。

まとめ

以上様式1でした。ここまででもかなり大変だと思います。私も初めての時は夜な夜な資料を読んでいました。
しかし、まだ申請書作成の入り口です。一緒にがんばりましょう!


 

いかがでしょうか。次は別添資料の飛行経路を書いていきます。

画像参照:国土交通省ホームページ